JSLリモート開発ガイド初版を公開します
JSLではリモートワークを積極的に取り入れており、これまでのノウハウを集約してガイドを作りました。参考になる点があれば幸いです。
はじめに
リモート開発は通常のオンサイトの開発に比べて必要なスキルがあります。本ドキュメントはそれについて記載します。
相手も理解と実践が必要です
リモート開発は双方の理解と実践が必要です。本ドキュメントに記載したことは相手にも実践してもらわないと円滑に業務が進みません。
相手がリモート開発に不慣れな場合はこのドキュメントを提示し実践してもらうと良いでしょう。
雑談しよう
リモートワーカーにとってコミュニケーションは最重要項目の一つであり、リモートワーカーはコミュニケーションを取りすぎな位がちょうど良いです。
プロジェクトによっては複数人開発で自分だけがリモートという状況が考えられますが、そうなるとどうしてもオフィスとリモート側でコミュニケーションのレベルに差がでてきてしまいます。
オフィスでは全員が認識している事を間違えて理解していたり、共有されているはずの情報が漏れていた場合は、その後インシデントとして悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。
そういった問題を事前に避けるためにも、ささいな事から相談・発信するようにしましょう。
自分「おはようございます」
相手「おはようございます」
自分「本日は○○を行います。」
相手「よろしくおねがいします。」
これだとただの業務連絡であり、コミュニケーションではありません。
自分「おはようございます。本日こちらでは雪がふりました!」
相手「おはようございます。本当ですか?いいですね〜」
自分「舞い落ちる雪を眺めつつ本日は○○を行おうと思います。」
相手「よろしくおねがいします。こちらは凍ってるだけなので楽しみがいがないです :cry: 」
...
文章は前者より長くなりましたが、このような取り留めのない会話をすることで話しやすくなる環境を作ったり、遠距離を感じさせない親しみを共感できます。
ただし雑談のしすぎでチャットを圧迫したりすると本末転倒になってしまうので、適度な雑談を心がけましょう。
積極的に発信しよう
リモートワークの導入が敬遠される背景として、相手が見えない
という事が挙げられます。
オフィスと違い相手が見えないことによって
- 本当に仕事をしているのか
- 今在籍しているのか
- ランチは既に終わっているか
といった疑念が湧くと思います。
特にアサインしてから時期が浅い場合は、お互いの技量や性格を把握しきれておらず、疑念も湧きやすいです。
そういった疑念を払拭するためにも
- 業務開始
- PR or MR作成報告
- 修正をコミットをした報告
- これからReviewをする
- ランチに出る連絡
- 少し席を外す連絡
といった発信は積極的にすることを推奨します。
リモートワークで「こうすればよいだろう」、「相手もそう思っているはずだ」といった憶測は良い結果を生みません。
面倒だと思われるかもしれませんが、リモートワークをする上では同じオフィスにいると感じるようなコミュニケーションをする事が大切です。 状況報告をして、適宜修正やアドバイスを受けるようにしましょう。遅くなるほど報告しづらくなるので、早めに報告することを心がけましょう。
リモートでもオフィス在籍と遜色ない実績が出せるようこころがけましょう。
Slackのみに頼らないようにしよう
以下の順でコミュニケーションロスは少なくなります。
会う > ビデオチャット(zoom, appear.in, skype等) > 電話 >>> チャット
チャットだけでどうにかしようと考えるのではなく、適切なコミュニケーション手段を柔軟に選びましょう。
また、slack以外でコミュニケーションを取った場合は、会話内容をwikiやslackでほかの人に共有しましょう。
詰まったらすぐ聞こう
夕方になって、「一日詰まってました」だと相手も困ります。15分考えてわからなかったら誰かに助けを求めましょう。
作業途中でも一日一回はpushしよう
pushすることで進捗・作業状況を見える化しましょう。
Slackの使い方
Slackの有効な使い方について記載します。
前提
電話や、直接会って会話する、などに比べて、文章でのコミュニケーションはロスが大きいです。
書き手の意図したことの100%が読み手に伝わらず、誤解を招いてしまうことも少なくありません。
できるかぎり10人中10人に伝わるような文章を心がけましょう。
難しい言い回しや、ビジネス用語よりも、簡単な言葉でも全員にきちんと伝えることを重視しましょう。
プロフィール画像を設定しよう
プロフィール画像を標準のものから変えましょう。できれば自分の顔写真にしましょう。本人が話している感が増してコミュニケーションが円滑になります。
プライベートチャンネルやDMはなるべく使わないようにしよう
見えないところでコミュニケーションを取ると問題の発見が遅くなりますし、引き継ぎも困難です。できる限りpublicチャンネルでやりとりしましょう。
絵文字を積極的に使おう
絵文字を積極的に活用しましょう。
お願いするときは、
リアクションを積極的にしよう
何か発言があった場合は、発言に対してリアクションを追加すると、話題に参加している雰囲気が出ます。
ただ、発言に比べてリアクションは、相手への通知が弱いかもしれません。
そのため、急ぎの質問に対する回答などは「了解です」などと発言するほうが、相手の目に止まりやすくなります。
長文の場合は箇条書き、段落分けを使おう
長文になればなるほど、何を伝えたいのか分かりづらくなるので、できるだけ短い文章をこころがけましょう。
どうしても長文になってしまうときは以下のテクニックを活用しましょう。
- できるだけ結論は最初に書く
- 要点は箇条書きにする
- 適切に段落を分ける
以上のテクニックを使い、読み手が読みやすい文章をこころがけましょう。
やりとりの回数を減らす努力をしよう
自分「〇〇でしょうか?」
相手「はい。」
自分「そうしますと〜〜〜です。」
相手「了解です。」
よりは、
自分「〇〇でしょうか?yesの場合は〜〜〜です。」
相手「そのとおりです。了解です。」
の方がやり取りが一回少なくなります。これは一例に過ぎませんが、やりとりの回数を減らすようにつとめましょう。
質問や回答のあとに、その根拠や自分の考え、思いも一緒に送りましょう
そうすると相手が自分の考えを理解でき、認識の相違があるなど、コミュニケーションのズレが発見しやすく、相手も回答しやすくなります
自分「これは〜〜〜でよいでしょうか?」
自分「この記事(URL)にこうあり、わたしも〜〜なのでそう思いました」
相手「あー、確かにそうですね。それでいきましょう」
or
相手「あー、そこは、そうではなく〜〜ということです」
相手「この処理っていりますかね?」
自分「いると思います。」
自分「〜〜こういう理由で追加しました。」
相手「あーなるほど、そういうパターンもあるのですね。了解です。」
or
相手「あーなるほど、そういう処理であれば、こちらでやっているのでいらないですね。」
言葉で説明が難しい場合は、画像を送ろう
「画面のこの場所が〜」と説明するよりも、該当箇所の画像を添付したほうが、お互いの理解が深まり、やり取りの回数を減らせます。
相手が隣の席にいるイメージでやりとりしよう
隣の人に聞くようなイメージでやりとりをしましょう。
相手との関係性にもよりますが、話し言葉や感動詞を交えることでも相手に伝わりやすくなります。
例:
- あのー、〜〜
- 驚いているとき:「えっ?!」
- 迷っているとき:「うーん、〜」
- なるほどのとき:「あーなるほど」