子育ての本を読んだら、エンジニアマネジメントのことが書いてあった

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man holding baby's hand

はじめに

こんにちは!トライブセクションのカルチャーデザインチームでリーダーをしています、牧です。

私は3歳の子どもを育てて、日々いろんなことに格闘しています。ご飯の前にお菓子を欲しがる、片付けを何度言っても後回しにする、眠くなると急に機嫌が悪くなる。

そのたびに「どう声をかければいいんだろう」と迷うことが増えてきました。感情的に叱っても、次の日にはまた同じことが起きる。どこかやり方が違う気がしていました。

そこで手に取ったのが、「マンガでよくわかる アドラー流子育て【新版】」です。

読み進めているうち、本の中に「子どもの不適切な行動を正すためのチェックリスト」が登場しました。

読みながら気づきました。

「これ、エンジニアへの声がけでも、まったく同じだ」


アドラー流子育てとは

アドラー心理学をベースにした子育てのアプローチです。「叱る・ほめる」ではなく「勇気づける」を軸にしています。

子どもが問題行動を起こしたとき、感情的に叱っても根本的な解決にはならない。それよりも、行動の背景を理解し、より適切な行動を一緒に考え、うまくできたことを認めていく。そのサイクルが、子どもとの信頼関係を築いていく。

この本に、子どもの不適切な行動を正すためのチェックリストが載っていました。

注目すべきは、チェックリストの主語が「子ども」ではなく「わたし(親)」だということです。子どもを変えようとするのではなく、自分の対応を変える。それがアドラー流のアプローチです。


子どもの不適切な行動を正すためのチェックリスト

1. その行動の前後関係をよく観察する

□ 子どもが不適切な行動をしたとき、感情的にならない

□ 目先の問題を解決することだけを考えない

□ 少し距離を置いて、冷静に子どもの行動を観察する

次の点を振り返ると効果的

  • 「子どもはどんな状況でその行動をするのか?」
  • 「わたしはいままでにどんな対応をしていたか?」
  • 「わたしの対応の効果はどうだったか?」

2. 不適切な行動に注目せず見守る

□ 不適切な行動には、実害がないかぎり注目しない

実害とは、ケガをしたり、誰かにケガをさせたり、大切なものを破損したり…など

3. より適切な行動を一緒に考える

□ 高圧的な対応や命令口調にならないようにする

□ まず、子どもの考えをあたたかく受け入れる

□ 子どもと一緒に具体的に考える

□ 子どもの考えを聞いてから、あなたの考えを提案する

□ 実際に何をすることを選ぶのかは、子どもにまかせる

提案するときのフレーズ例:「おかあさん(おとうさん)はこうしたらどうかと思うんだけど」

4. 適切な行動をしたとき、「正の注目」を与える

□ 子どもが少しでも適切な行動をしたら、勇気づけをする

□ 「あたりまえ」と思える小さなことでも、適切な行動を見逃さない

  • 適切な行動にいい反応を示し続ければ、子どもは自分の存在を認められたと感じ、親子間の信頼が深まる
  • 結果的に、適切な行動が増えていき、不適切な行動が自然と減っていく

チェックリストをエンジニアマネジメントに置き換えてみた

1. その行動の前後関係をよく観察する

チェック項目👦 子ども🧑‍💻 エンジニア
感情的にならないイライラして叱る前に、一度状況を見るミスに対して感情で指摘せず、まず事実を整理する
目先の問題だけを解決しない今の行動だけでなく、なぜ起きたかを考えるバグ修正だけでなく、なぜ起きたかを振り返る
距離を置いて観察する一歩引いて見守るすぐ介入せず、状況を俯瞰する
どんな状況でその行動をするのか?疲れている、焦っている時間がない、仕様が曖昧
自分はどんな対応をしてきたか?叱る・急かす指示だけ出す・レビューで否定する
その結果はどうだったか?同じことを繰り返す同じミスが再発する

2. 不適切な行動に注目せず見守る

チェック項目👦 子ども🧑‍💻 エンジニア
実害がないかぎり注目しない軽い失敗には過剰に反応しない小さなミスを過度に責めない
実害には対応するケガや重大な問題は例外品質・セキュリティ・納期に関わるものは例外

注目することで、かえってその行動が強化されることがあります。意識的に「見守る」選択をすることが大事です。

3. より適切な行動を一緒に考える

チェック項目👦 子ども🧑‍💻 エンジニア
高圧的にならない「早くしなさい」ではなく問いかける「これやって」ではなく考えを聞く
まず受け入れる一度受け止める提案を否定から入らない
一緒に具体的に考える「どうする?」と問う解決策を一緒に設計する
考えを聞いてから提案する先に聞いてから伝える先に意図を聞いてから提案する
最終判断は相手に委ねる決定を委ねる方法は任せる(制約は共有)

先ほどのフレーズ例「おかあさん(おとうさん)はこうしたらどうかと思うんだけど」は、選択肢として差し出す言い方です。「こういう案もあるけど、どう思う?」はそのままエンジニアへの声がけにも使えます。

4. 適切な行動をしたとき「正の注目」を与える

チェック項目👦 子ども🧑‍💻 エンジニア
小さな適切な行動を認めるできたことを言葉で認める良い判断や行動を言語化する
「あたりまえ」を見逃さない小さな成長を拾う地味な良い動きも評価する

本にはこう書かれています。

適切な行動にいい反応を示し続ければ、子どもは自分の存在を認められたと感じ、親子間の信頼が深まる。結果的に、適切な行動が増えていき、不適切な行動が自然と減っていく。

子どもをメンバーに置き換えると、そのままマネジメントの原則になります。評価と信頼が行動を強化する。


おわりに

声がけに迷いながら手に取った本でした。

読んでみると、子育てに書いてあることと、エンジニアマネジメントに大切なことが、ほとんど同じでした。感情的にならない、一緒に考える、できたことを認める。

子どもを育てることと、エンジニアを育てることは、根っこは同じかもしれません。どちらも、信頼と勇気づけで関係が変わっていく。

まだ3歳児の声がけには迷う毎日ですが、このチェックリストは冷蔵庫に貼っていつでも見られるようにしておこうと思います。

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